研究テーマ
公開件数:3件

No.1
研究テーマ名 電界が燃焼に及ぼす影響に関する研究
概要 研究の背景
 日本の一次エネルギーの8割は化石エネルギーに依存していることから、内燃機関の効率の改善と環境適合化は、エネルギー問題、環境問題の観点から重要で す。ところで自動車をはじめとする熱機関は発電機を備えているのが通常ですから、発電した電気エネルギーの一部を制御に使いそれにより効率の改善等が図れ れば、システム全体としてはより環境に適合したシステムと成り得ます。このような観点から電界場が燃焼に与える影響について基礎的な研究を行っています。

今まで行って来たこと
実用的に多く用いられている噴霧燃焼の基礎モデルである液滴燃焼を対象として、微小重力環境を使うなどして主として直流電界が液滴の燃焼挙動に及ぼす影響 について検討してきました。実用的な側面では電界の導入における燃焼の促進効果やすすの低減の効果、燃焼制御の可能性などについて報告してきました。また 火炎中にはイオンや電子などが含まれているため、電界と火炎の干渉効果を考慮しなければ、電界が火炎に及ぼす影響は定量的には見積もれないことを示しまし た。

今後行いたいこと
直流電界については、今まであまり着目されていない負イオンに起因するイオン風が燃焼挙動に及ぼす影響について詳細に調べようとしています。
またより実用的に交流電界が燃焼に与える影響についても調べようとしています。特に、マイクロ波放電が燃焼に与える影響(点火の促進)について基礎的、実用的な見地から調べようと準備を進めています。
研究期間

No.2
研究テーマ名 光ピンセットを用いた燃料液滴の蒸発、燃焼に関する研究
概要 研究の背景
 実用的な熱機関には液体燃料を用いているものが多く、液体を霧状にして空気と混合して燃焼する噴霧燃焼が広く用いられています。噴霧燃焼は微粒化、蒸発、混合、流動など様々な現象を含むため、未解明な点も多くあります。噴霧燃焼を理解する手法の一つとして、その最も単純なモデルである燃料液滴に着目する方法があり、多くの研究が行われています。燃料液滴の蒸発、燃焼に関する研究においては、液滴を懸垂線と呼ばれる細線で支持して観察する手法が多く用いられていますが、細線に起因する熱流入などの影響は無視できません。

今まで行ってきたこと
 細線を使用せずに燃料液滴を空間に浮遊させ固定することができれば、細線に起因する影響もなくまた観察も容易となります。このような観点から、近年生化学などで注目されている光ピンセット技術を用いて燃料液滴を空間的に固定する手法を提案し、その手法を実証しました。(光ピンセットは光の持つ運動量を用いて物体を固定する技術です。)液滴の蒸発挙動について計測を行い、理論解析との比較を行っています。

今後行いたいこと
 実験装置がまだ洗練されておらず、微粒化器、観察系、光ピンセット光学系など装置の改良を行って、多くのデータを取得したいと考えています。本研究は主として基礎的な実験手法の開発ですがその応用範囲は広いため、本手法を適用して実験データが十分でない微小な液滴の蒸発,燃焼挙動や自由液滴間の干渉の効果について調べようとしています。
研究期間

No.3
研究テーマ名 高速飛翔体の熱環境に関する研究
概要 研究背景
 音速の数倍で飛行する飛行機や宇宙から帰還する宇宙船などにおいては、前方の空気が断熱圧縮されることで厳しい熱環境に晒されます。そのため宇宙機などにおいては機体表面の耐熱が重要であり、これが不十分だと大事故に繋がります。宇宙から帰還する飛翔体においては耐熱性を高めることで研究開発が行われていますが、他方で非常に大きな風船のようなものを広げて質量あたりの空気抵抗を大きくすることで、高高度から減速し機体が晒される厳しい熱環境を避けることもできます。このようなアイディアは古くからありましたが、主として柔軟な材料の取扱いが難しいことから実用化はされていません。

今まで行ってきたこと
 柔軟な構造体を用いてゆっくりと宇宙から降りてくることが可能であれば、宇宙輸送における安全性の向上に繋がるため、このコンセプトの実証を行うべく他機関の研究者とともに開発研究を行っています。基礎試験として、極超音速風洞での試験、膜面展開機構の提案、膜面材料耐熱試験などを行ってきました。私自身は中心的な役割を果たしていませんが、当該の研究グループによって実証機の飛行試験も確実に積み重ねられています。

今後行っていきたこと
 今後、柔軟構造体を宇宙輸送の一手段として用いるためには、膜面耐熱材料の開発が必須です。膜面の耐熱試験に関する試験法、評価指標、解析のモデルなども現状では存在しないため、試験法の開発と評価指標の提案が主な開発研究のテーマとなります。実験結果をもとに簡易な解析モデルを作成していきたいと思っています。
研究期間